オーダー家具製作・注文家具製作、アンティーク家具の修理・修復の「デコラティブアートスタジオ 黒瀧道信」

マホガニー、パイン

１７９０年頃作られた両袖のデスクの修復です。曲線や彫刻などの凝ったデザインが特徴だったロココを中心としたチッペンデールの時代の後に作られ、ヘッペルホワイトやシェラトンなどの家具デザイナーが活躍していた頃の典型的なシンプルなデザインが特徴です。
修復前のコンディションは、ホンジュラス産の上質なマホガニーの薄板がパイン材の下地の上に貼り付けられていたのですが、全体的に薄板が剥がれている所が多く、割れや塗装面のダメージが目立っていました。オーク製の引き出しの底板も縮んで割れが目立ち、修復の範囲はデスク全体に及んでいました。
実際の修復は薄板が貼られていた下地材の割れや欠損部の修理から始まり、マホガニーの薄板の再接着、欠損部の再生、再生部の着色、引き出しの修理、そして全体のフレンチポリッシュと２００時間近くの作業となりました。
最後にデスク天板部分にアンティーク調のレザーを貼って完了となりました。
２００年の時を経てメローに変色したマホガニーの色調を損なう事無く慎重に作業を進め、デスクとしての実用性もしっかりと確保しました。